消費者契約法とは

消費者を保護する法律としては、特定商取引法や割賦販売法があり、訪問販売などや分割払いで支払う販売方法などは個別に対処してきました。その一方で、特定商取引法や割賦販売法で定める取引に該当しない取引により消費者が被害をこうむることが多く、消費被害の救済としては不十分でした。
そこで、このような問題を解決するために2000年に制定されたのが消費者契約法です。消費者契約法は労働契約以外の、すべての消費者と事業者の契約に適用されます。消費者契約法の最も大きな特徴は、一定の場合に消費者取消権という消費者と事業者の間で結ばれた契約を消費者側から取り消しできる権利を認めたことにあります。

消費者取消権が認められる場合とは

事業者が商品販売の勧誘をする際、に問題があるために取り消しできる場合は下記の5種類です。
①事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者が誤認した場合
例:「これは高価な絵画」だとウソをつき高価な価格で売りつける場合
②将来不確実な事項につき事業者が断定的な判断をしたため、消費者が誤認したため。

例:本来株価は不確実なものであるのに、「この株は必ず値上がりします」断言したため、消費者が誤認した場合。
③事業者が重要事項について、消費者の利益になることのみを言い、かつ、不利益になることをわざと言わなかったり隠していた場合。
例:先物取引で「大きな利益がでる」とだけ言い、先物の値下がりで大きな損失がでることもあるのをわざと説明しなかったため、消費者が誤認した場合。
④消費者の自宅や勤務先で勧誘しているときに、帰るようにいわれたにもかかわらず居座って勧誘を続けた場合。
例:セールスマンが「買ってくれるまで帰らない」と居座り、困惑して買ってしまった場合。
⑤自宅や勤務先以外の場所で、契約の勧誘をする場合に、消費者が帰ると言っているのに帰らせず勧誘を続けた場合。
例:ファミリーレストランで勧誘をしているときに、消費者が帰ると言っているのに、両サイドにセールスマンが座り帰らせなかったために、消費者が困惑して契約してしまった場合。

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