公正証書

公正証書とは

公正証書とは,私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により,公証人がその権限に基づいて作成する文書のことです。
 一般に,公務員が作成した文書を公文書といい,私人が作成した私文書とは区別されています。公文書は,公正な第三者である公務員がその権限に基づいて作成した文書ですから,文書の成立について真正である(その文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたものである)との強い推定が働きます。これを形式的証明力ともいいます。文書の成立が真正であるかどうかに争いがある場合,公文書であれば真正であるとの強い推定が働きますので,これを争う相手方の方でそれが虚偽であるとの疑いを容れる反証をしない限り,この推定は破れません。公文書が私文書に比べて証明力が高いというのは,このような効果を指しています。
 その他にも,金銭債務,すなわち金銭の支払を目的とする債務についての公正証書は,債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている場合は執行力を有します。「執行力」というのは,債務者が契約等で定めた約束に違反して債務を履行しなかった場合,債権者において強制執行をすることができる効力をいいます。この執行力を有する公正証書を,特に「執行証書」といいます。
 執行力は,通常,裁判所に訴えを提起し,原告の請求を認容する勝訴判決が言い渡され,しかもその判決が確定しなければ発生しません。訴えを提起して確定判決を手にするまでには,相手方の対応にもよりますが,通常ある程度の期間と訴訟費用その他の出費を必要とする上,確定判決を得たとしても,相手方が既に経済的に破綻しており,強制執行をしても何も得られないという場合も少なくありません。同様に裁判所において作成される和解調書や調停調書にも執行力が認められていますが,いずれにしても裁判所を経由しなければなりません。これに対して,執行証書を作成しておけば,裁判を経なくても迅速に執行力の付与を受けることができるのです。
 このように,大切な権利の保全とその迅速な実現のために公正証書の果たす役割は,非常に大きいといえるのです。
(出典:法務省ウェブサイト http://www.moj.go.jp/MINJI/minji30.html)

強制執行認諾約款(きょうせいしっこうにんだくやっかん)とは

「強制執行」とは金銭債務(借金・慰謝料・養育費など)の支払いをしない債務者に、国の権力により財産を差し押さえてお金に換えて債権者に債権を回収させる手続きです。民事執行法などに規律されています。差し押さえの対象は不動産や貴金属などの動産、給与などです。
動産の差し押さえは衣類や家具などの生活に必要な物は差し押さえできません。
給与の差し押さえは、源泉所得税、社会保険料、年金の掛け金などを差し引いた残りが28万円未満の場合は給与の四分の一までしか差し押さえできません。手取りが28万円以上ある場合は21万円を超えた部分は無制限に差し押さえ可能です。また養育費を目的とした差し押さえは給与の二分の一まで差し押さえが可能です。
通常は強制執行をするには、裁判を経て、その判決に債務者が従わない場合に、裁判所に申し立てをして差し押さえを行います。
しかし、公正証書を「強制執行認諾約款」付にしておけば、公正証書の内容を守らなければ裁判を経ることなく直ちに強制執行に移行できます。
「強制執行認諾約款」付公正証書とは債務者が支払いを怠った場合には、ただちに強制執行を受けることを了承しているという内容が示されている、執行力を持つ公正証書です。

公正証書作成費用(法定費用)

※公正証書の作成にどれくらいの費用がかかるのか心配ですよね?
公正証書作成の費用・手数料(法定費用)の内訳の概算は下記の通りです。
※法定費用の他に、公正証書原案作成報酬(行政書士報酬)が必要です。
詳しくは報酬・料金ページでご確認下さい。

公証人の手数料(公証人手数料令抜粋)

 契約や法律行為に係る証書作成の手数料は、原則として、その目的価額により定められています(手数料令9条)。
 目的価額というのは、その行為によって得られる一方の利益、相手からみれば、その行為により負担する不利益ないし義務を金銭で評価したものです。目的価額は、公証人が証書の作成に着手した時を基準として算定します。

 【法律行為に係る証書作成の手数料】

(目的の価額) (手数料)
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算
3億円を超え10億円以下 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算
10億円を超える場合 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算
 ②  贈与契約のように、当事者の一方だけが義務を負う場合は、その価額が目的価額になりますが、交換契約のように、双方が義務を負う場合は、双方が負担する価額の合計額が目的価額となります。
 ③  数個の法律行為が1通の証書に記載されている場合には、それぞれの法律行為ごとに、別々に手数料を計算し、その合計額がその証書の手数料になります。法律行為に主従の関係があるとき、例えば、金銭の貸借契約とその保証契約が同一証書に記載されるときは、従たる法律行為である保証契約は、計算の対象には含まれません(手数料令23条)。
 ④  任意後見契約のように、目的価額を算定することができないときは、例外的な場合を除いて、500万円とみなされます(手数料令16条)。
 ⑤  証書の枚数による手数料の加算
 法律行為に係る証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます(手数料令25条)。

 

その他の諸費用

※金銭消費貸借契約、土地の賃貸借契約、土地の売買契約などには印紙税法による印紙の貼付が必要です。
※正本・謄本料として1ページ250円が必要です。
※特別送達代送達手数料1400円+切手代(郵送代実費)
※送達証明250円
※執行文付与1700円(執行力を有することを書面の末尾に記す手続き)